為替レート変動はボラティリティーを見る

為替相場の変動(ボラティリティー)を見る方法

先週は金融市場に危機が迫っているときに真っ先に動き始めるのがオプション市場であることを説明しました。オプション市場を観察していれば、現物市場で表面化していない水面下のきな臭い動きやリスク回避の初期的な兆候を見つけられるかもしれません。それではオプション市場はどんなシグナルを発し、われわれはそれをどう解釈すべきなのか、またオプション市場とは具体的に何をウォッチしていけばいいのでしょうか。

 

ドル円や豪ドルなど為替のボラティリティを見るのが手っ取り早そうですが、為替のボラティリティは足元のスポットの値動きの影響を強く受けるため、あまり他市場で起こっいる水面下のリスクを反映しているとは言えません。そこで最近注目されているのが、株式市場の恐怖指数といわれる「VIX指数」です。ここしばらくは、株式が「主」、為替が「従」という関係、つまり為替市場は株価動向をうかがいながら動いていることから、為替市場の動向を予想するには株式市場の心理を測るのが合理的といえます。

 

VIX指数は、米国CBOE(シカゴ・オプション取引所)が作り出した「ボラティリティ・インデックス」の略称です。S&P500を対象とするオプション取引の30日間のボラティリティを元に計算されています。株式市場が急落している時や不穏な空気に包まれているときは、投資家はヘッジのためオプションを買いますのでVIXは上昇します。

 

逆に株式市場が安定しているか、一定のペースで上昇しているときは、投資家はオプションを買いたがりませんので、VIXは下落します。VIXが継続的に上昇しているときは、株式市場の投資家が何らかの不安を抱えていると考えられ、リスク回避がいずれ為替市場に飛び火する可能性が大きいと見るべきでしょう。こういうときはリスクポジションを縮小するか、ローリスク通貨の円をロングする戦略を選択するのが合理的と考えられます。逆にVIXが継続的に下落しているときは、投資家の懐は暖かく、為替市場でもハイリスク通貨買い・ローリスク通貨売りが活発になる可能性が高くなります。

 

VIX指数は創設された1993年からしばらくはだいたい10から20の間で推移していましたが、1996年ごろからぐんぐん上昇しはじめ、アジア通貨危機、ロシア危機を受けて50近くまで跳ね上がりました。混乱期が2002年ごろまで続いた後、2007年には10台割れまで低下。ところが、2007年のサブプライム問題発生以降再び急騰し始め、リーマンショック直後の昨年10月24日には過去最高の89.53(!)まで上昇しました。それから現在は20付近まで下がってきており、1年をかけて市場のセンチメントが正常に戻ってきたことを表しています。今後も株価堅調でVIXがさらに20台を大きく割り込んでいくようなら、リスク回避による圧力釜のような円高局面にも転機が訪れる可能性が高いと思います。

 

VIXの動きはUS版Yahoo!で見ることができます。アドレスはこちらです。

http://finance.yahoo.com/q?s=%5EVIX

 

右側のグラフをクリックすると大きなチャートで見ることができます。「COMPARE」でいろいろな通貨や株価指数と比較することもできますので、いろいろ試してみるといいでしょう。ただ比較チャートに限ればQUOTE.comの方が見やすいかもしれません。アドレスはこちらです。

http://jp.quote.com/us/futures/chart.action?s=$VIX

雇用統計時のボラティリティーには注意が必要

なお今夜は米国雇用統計の発表が予定されており、結果によっては大幅な動きとなる可能性があります。ボラティリティーが大きい際の外国為替市場の為替レート変動には注意が必要です。ポジション管理・リスク管理にはくれぐれも注意を払っていただくようお願いいたします。FXにおけるストップロスは必ずおくようにしてください。

 

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